前回『命令・禁止の言葉は、避けて損は無い話』という記事を書きました。
内容が似ているようで、ちょっと視点の違う話なので、読んでいただけると嬉しいです。
「やめて」ではなく「いや」と伝える【子どもに響きやすい言葉は?】
前回の記事で、室内を走り回る子がいたときに「ダメ!」と言うより「歩こうね」と声を掛けた方が、意味は同じでも受け取り方が変わってくるのではないか…という話をしました。
「歩こうね」を更に言い換えるとすれば、どんな言葉がありますかね?
「歩いて欲しいな」とすると、また意味は同じでも更に違う要素が加わってくるのではないでしょうか。
「~して欲しい」という、自分の気持ちを添えた言葉。
【自分の気持ち】だったり【お願い】だったりしますね。
上記の言葉の並びでいくと、
「ダメ!」 → 「歩こうね」 → 「歩いて欲しいな」
意味合いは同じですが、右にいくほど言葉は柔らかくなっていますね。
では、何でもかんでも「歩いて欲しいな」みたいな伝え方が良いのか?
そこは【使い分け】です。
「今は真剣に伝えたいな…」と思うこともあるでしょう。
場面や状況に応じて、言葉の選び方を変えてみるとハマるポイントが見つかるかも知れません。
…いつも同じ選び方が出来ると、楽なんですけどね… (笑)
『思わせる』のではなく、自発的に『思う』
『自分から思えたからこそ、価値がある』
これはいつも僕が考えていることです。
『言葉』はいくらでも投げかけて、何度でも改善を求めることが出来ます。
ですが、相手の心に響かないと意味は薄い気がしています。
「言われたから、する」
「怒られるから、やめる」
そのとき、その一瞬はそれで事が収まるかも知れません。
ですが、怒ったり叱ったりして、長期的に改善されたことってどれだけありますかね…?
※怒る・叱るが無意味なのではなく、場面に応じた使い分けが大切だ、という話です。怒る・叱るが必要な場面もあると考えています。
同じ例をずっと出していますが、室内を走り回る子が
「部屋は走るところじゃないから、歩こう」
「歩いて欲しいって言ってたな」
と、自分から思えたときに、初めて言葉を掛けた意味があると思います。
でも嫌なときは、はっきり『嫌』と伝えよう
では、これもまた例ですが
『おもちゃを投げる』 ※本来、投げるべきでないもの
『人を叩く』
こういった行為が見られたときは、どうでしょうか。
これもまた、状況やその直前の出来事、内容によって【使い分け】です。
僕の基準ですが、何度か声掛けをしたあとに「あ、コレはこの声掛けを続けても意味が薄そうだな…」と思ったときは、声の掛け方を切り替えています。
嫌なときは、はっきり「嫌」と伝えます。
ただし、できるだけ短く、簡潔に。
理由をダラダラと話してしまうと「怒られた」という思いだけが強く残ってしまうような気がします。
こちらから理由を話さなくても、相手が自分の言葉で説明できなくても、きっと何となくでも分かってると思うんです。
「あ、こんなに嫌だったんだ…」
と思ってもらえた方が、伝えたいことが伝わると思いませんか?
ところで何度かお話ししている【使い分け】ですが、これは本当に難しい。
特に子育てや保育は日々、時間ややるべきことなど、色々なことに追われていると思います。
「さっきの声掛け、本当に良かったのかな」
「別の角度から話し始めた方が良かった気がする」
と、僕も自問自答することがよくあります。
そのときに考えるのも、もちろんそうなのですが、夜お風呂に浸かっているときにぼんやり考えることが多いです (笑)
言葉とか気持ちって、目に見えないモノなので正解が分かりづらい。
しかも、長期的に見ないといけない部分もあるので、結構しんどいです。
もし周りに「こんなとき、どうする?」と話せる人がいるなら、色んな人の話を聞いて様々なパターンを頭に入れておくと、引き出しも増えて、心にも余裕ができるかも知れませんね。
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